世界の中心、オーストラリアのAyers Rock Resortで働く③ シリーズ最終章!
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何だかんだで此処エアーズロックに来てから約6か月が経った。
英語の勉強は毎日したが、それよりも食生活が大変だった。
料理が出来ない俺は、毎日パスタ、時にはごはんに卵、そしてカレー、そのくらいしか作らなかった。ミゴレンというインスタントラーメン(分かる人にはわかる)を5日連続なんていう日もあった。
英語、仕事、人間関係、その他の沢山の事を此処エアーズロックで得た。
時給は$12~15ドルほどだったが、アコモデーションが週85ドルという破格の安さと、休みの日はお金を使う場所がないのと、オージーがちょくちょく休むことから発生する仕事量と、食生活でお金を使わない俺がうまく適合して、気が付けば銀行残高は+$9000ドル増えていた。
此処エアーズロックは9年経った今でも絶対に忘れられない場所である。
夜になるとプラネタリウムが夜空に広がる。こんな感じに...↓
おかげで星の勉強もそこそこした。天の川(ミルキーウェイ)、南十字星(サザンクロス)、セブンシスターズ、スコーピオン、アンタレス、マゼラン星雲...挙げていけばキリがない...。人工衛星も他の銀河も肉眼ではっきり確認できた。絶句だった。
沢山の神秘的な星を毎日のように見た。それを見ることで宇宙の事を考え、自分の存在について考えを得ざるないほどの絶景だった。昔の人はこれを眺め、好奇心や希望を胸に今を生きていたのかと勝手に想像してしまった。
僕が本格的に哲学に興味を持ったのも、この圧倒的なスケールの夜空を見上げた生活をエアーズロックで経験したからだといっても決して過言ではなかった。
エアーズロックは何もない。物質的には何もない。赤土と大きな岩。それだけ。
せっかくだからと記念に写真を何枚か撮り、Instagramに載せるのが目的で来る人もいるかもしれない。アボリジニの事を無知で観光するかもしれない。凄かったね!エアーズロックという人もいるだろうし、あんまり大したことなかったね。。。という人もいるだろう。
でも俺がここで経験した6か月の内容は言葉では言い表せないほどの価値のあるものだった。
逆に言うと誰かが何処かで経験したことの価値を安易に計ることができないことと、その場所の価値というのはその人の経験したことによって評価が変わってしまうということ。
嫌なことを経験すればその地が嫌な場所として記憶にインプットされてしまい、嫌なイメージは本質を見抜く力を失ってしまうからだ。
つまり俺らは自然の本質を全く理解していない。
だから俺は自然も眺めるときには嫌なことも、楽しいことでさえも忘れてその瞬間を「感じる」ように心がけている。
そのフィーリングは1分も経てば少し薄れてしまい、10日も経てばほとんど忘れてしまうかもしれない。 逆にそのフィーリングがずっと同じ濃度で保たれてしまっては毎日の生活に支障がきたすだろう。でも問題はそこではないと思う。
おそらく本質は、いずれにしても1分後に薄れてしまうから、だからこそ今この瞬間を全てと思って「感じる」「生きる」ということだと思う。だって1分後にはもう薄まってしまっているんだから。
ソフトクリームを冷凍庫から出したら「今」食べなければ溶けてしまう。それをどうせ溶けるなら食べないなんていう人はいないだろう。「今」を放棄してはいけないと俺は想う。多くの人がソフトクリームがいつまでも溶けずにおいしい状態だと勝手に思い込んでいる。でも実際にそんな保障はどこにもない。
「今」は常に過ぎていっている。
いずれを「どうせ」に言い換えると「今」を放棄することになる。
ものは考え方で変わってしまうが、そこが人が考える力の難しいところでもある。
結局自然の定理にはどうやっても勝てないんじゃないかと想いながら夜空を見上げた此処エアーズロックでの俺の9年前の出来事でした。
世界の中心、オーストラリアのAyers Rock Resortで働くシリーズ 完